アメリカでスペインの豆料理

Grossauge2010-01-16

ここはロスアンゼルスやシアトルではないので、日本的な野菜はあまり手に入りません。それにやっぱり食べ物は地元のものを食べるのがよいでしょう。現在のアメリカはヒスパニック系の人口が大変多いので、メキシコ料理の食材などが安く手に入ります。とくにここはテキサスなので、半分メキシコみたいなものです。

アメリカ南部の人は結構豆料理を作りますが、メキシコ人もかなり奥深いの豆食文化をもっています。スーパーでは、様々な種類の豆が乾燥1ポンド(500gぐらい)1ドルから3ドルぐらいで売ってます。そこで、これは豆を料理しないといけないと思い立ち、去年日本のアマゾンで豆料理のレシピを購入しました。こちらにもレシピの本はたくさんあって、インターネットにもいろいろなレシピがあるのだけれども、いまいちよいレシピに出会いません。見た目がいいのだけれども、何か説明が欠けていたり、下ごしらえの記述が省略されていたり、調味料の分量が欠けていたりするものに何度か出会いました。なので、レシピ本は日本で出版された物を使うようになりました。日本のレシピ本は、料理途中の説明や写真、食材に関する説明がアメリカのものよりも豊富だと思います。

アメリカやメキシコの料理もいいけれども、何か新しいものがいいと思い、「豆とスープが待つ食卓」という本を買いました。メキシコはスペインの植民地だったので、似たような食材を使うかもしれないと考えたのです。この本が大当たりで、どれを作っても簡単な上、大成功でおいしいのです。キースもI'm glad you got the book!と喜んでます。

作るたびに新しい味に出会うという感じです。「ガルバンゾのモロッコ風煮込み」というのを作ったとき、今まで食べたことがないけれども懐かしいような不思議なおいしさに驚きました。この料理はガルバンゾとクスクスが主体なのですが、ガルバンゾの煮汁とスープがとても繊細な風味を醸し出します。そして、大きく切ったズッキーニとミニトマトが柔らかくなって、一緒に食べるといい感じなのです。

スープのレシピもとても簡単ながらいろいろな風味のものが紹介されています。日本のみそ汁みたいな感じでしょうか。今まで作った中で特に新鮮だったのが、「かぼちゃのスープ」。基本的に具はかぼちゃとタマネギだけです。あとはバター、チキンスープ、クローブナツメグ、塩、こしょうが調味料です。実はクローブを自分で使ったのはこれが初めてでしたが、よい香りです。小さな釘のような形をしているので、漢字では丁字と書き(呼び)ます。クローブという名もラテン語の釘に由来しているそうです。チャイのあの香りはクローブの物だということが分かりました。クローブを肉に差して料理したりもするそうです。今年の始めのスーパーシェフバトルでエメリルがオレンジの皮に差して、ニューオーリンズスタイルのスパイスコーヒーを作ってました。見た目はこんな感じで1cmぐらいの長さです。

豆料理はなんだか手間がかかる印象がありますが、仕事へ行く前に浸水させて帰ってきたらすぐに30分ぐらい煮るだけです。その煮豆を使った料理はやはり30分ぐらいでできます。煮豆は冷蔵庫で保存が利くので、一度煮るとその豆を使ったいくつかのレシピに挑戦できます。ガルバンゾの煮汁がおいしいということはこの本に出会うまで知りませんでした。その他、スープの隠し味にはドライシェリーがよく使われています。ドライなシェリー酒は紹興酒みたいな風味がします。今日もこのシェリー酒をふんだんに使った「赤いんげん豆と鶏肉のトマト煮・シェリー風味」を作って満腹です。

この豆とスープのレシピのおかげで、かなり節約もできています。著者の丸山久美さんという方は、マドリードに住んでいる時にスペイン料理に魅せられてスペインの料理学校に通ったそうです。信頼できるレシピです。あと二冊スペイン料理の本を出版されているようなので、購入します。この方のブログを発見しました。丸山久美 Mi@Mesa ちょっとしたレシピも掲載されているようなので、必見ですね。最新エントリーによれば、「dancyu何度でもつくりたい絶品おかず365レシピ―一番おいしい!一生使える!」という新刊の中で、豆料理、アンチョビ料理の項目を担当されているそうです。これも買わなければ。dancyuなら他にもいろいろよいレシピがあると察します。