アメリカ版料理の鉄人Iron Chef America新春スペシャルはホワイトハウスの農園で収穫した野菜がテーマ

1月4日放送のIron Chef Americaアメリカ版料理の鉄人)は、スーパーシェフバトルという題名で、ホワイトハウスのエグゼクティブシェフであるCristeta Comerford & Bobby Flay vs. Mario Batali & Emeril's Lagasse というチーム対決でした。フードネットワークのサイトのビデオは、アメリカ国外からの見ることができないようにブロックされているかもしれませんので、YouTubeから引っ張っておきます。

Iron Chef Americaを放送するフードネットワークは、先月からしつこいぐらいホワイトハウス云々と大々的に宣伝を行っていたので、ホワイトハウスとどういう絡みで番組が進行するのか楽しみにしていました。で、種明かしは、大統領夫人のミシェル・オバマが始めたホワイトハウスの庭の農園で収穫された野菜を使ったコースを作るというものでした。冒頭に、アルトン・ブラウンとシェフ達がホワイトハウスを訪れ、ミシェル・オバマによりお題が告げられ、シェフ自らホワイトハウス内の農園で食材を収穫し、その後はキッチンスタジアムに場面が移り、通常の対決が行ったのでした。

ミシェル・オバマの農園は以前からメディアなどで知られています。こちらが概要図。

3月に農園を始めたときの様子が、こちらのホワイトハウスブログに紹介されています。食育をかねて地域の小学生などを招いて一緒に作業を行っている様子が写真で紹介されています。

参考までに、フードネットワークのサイトの"Garden Fun Fact"にある農園の概要を紹介します。( )内は私の注釈およびコメントです。

  • 農園は200ドル(2万円弱ってとこでしょうか)をかけて7ヶ月前に始められた。わずか7ヶ月で700ポンド(約318キロ)を超える収穫を上げた。
  • 週15人のボランティアと5人のフルタイムで働いているシェフが、1100平方フィート(約102平米、1アールぐらいですね。)の農園の世話をしている。
  • 6種類のレタス、葉野菜とほうれん草(アメリカでは、ほうれん草はその他の葉野菜よりもランクが上の扱いを受けることが多いです。)、8種類のトマト(エアルームトマトがありました。)、トマテロ(グリーントマトに似ている外見ですが、じつはかなり辛く、ソースなどの風味付けに使われたりします。)、5種類のきゅうり、その他数十種類の野菜、ハーブ、果物を育てている。
  • このようなホワイトハウス内の農園は、エレノア・ルーズベルトの時に初めて作られた。(第二次世界大戦の時ですね。)
  • この農園のそばにはミツバチの巣箱があり、134ポンドのはちみつが採集された。(この蜂蜜はバトルでも使われていました。)
  • トーマス・ジェファーソンがモンティチェロ(バージニア州、ジェファーソンの終焉の地だそうです。)で育てた果物や野菜が育てられている。(直接の子孫の種なのでしょうか?)

収穫された野菜はこの料理バトルで使われただけではなく、大統領の家族の食卓やホワイトハウス内での食事会、地域のホームレスシェルターなどの食事などにも使われているそうです。ミシェル・オバマはこの農園の活動を通じて、アメリカで肥満や食生活に起因する糖尿病が問題になっている中、子供達に、健康によい、地域で収穫された果物や野菜を食べることの良さを伝えたいとのことです。このような感じだったので、このバトルは予想していたよりも「教育的」側面の強調されたものに感じました。

さらに、ホワイトハウスが絡んだせいもあるのでしょうが、このバトルはチャリティー試合で、勝ったチームが選んだ(あるいは既に番組によって割り振られているのかも?)チャリティーに$25,000が寄付されます。結局ホワイトハウスシェフとボビーフレイ組が勝利し、この組の選んだチャリティーCitymeals ON-WHEELSという、外出できないお年寄りのために食事を提供している団体でした。

マリオ・バタリはやはりいい味を出していて、ホワイトハウスなのに半ズボンでオレンジのクロックスサンダル(興味がある方はこちらCrocs Bistro Mario Batali Edition)といういつもと同じスタイルでした。礼儀にうるさい人からは非難囂々のようですが。

一番おいしそうだったのは、負けたチームのマリオ・バタリの一皿、スイートポテトとリコッタ&ゴートチーズのラビオリでした。エメリルのカキフライは審査員のあまり評判が良くなかった模様。そりゃ、ケイジャンのエメリルなんだから、衣が厚かったりするのは仕方ないんじゃないのー?と思いましたが。審査員はイギリス人(たぶん)女性二人と水泳のオリンピックメダリストのナタリー・コーグリンでこの人はカリフォルニア出身らしいので、三人とも濃いめの味つけであるニューオーリンズ風は合わなかったのかもしれません。それにしてもナタリーはかわいい。

試食の時に、真ん中のアーティストで女優のイギリス婦人が、ボビー・フレイの、マカロニチーズのマカロニをブロッコリに置き換えたというブロッコリーチーズを食べながら、「こんなにブロッコリーとチーズが合うんだから、炭水化物(パスタ)なんかなんで必要なのかわからないわぁ」みたいなマカロニチーズ全否定の発言をした時に、すかさずアルトン・ブラウンが、「いやいや、ちょっと待って」と口を挟んだところが結構ウケました。だって、マカロニチーズ全否定はひどいよね。

うん。ほかにもこの方は「レストランでなんで炭水化物とタンパク質にばっかりお金を払わないといけないのか」とか、かなり野菜原理主義みたいなところがあって極端でした。まぁ、私も、アメリカ人がマカロニチーズを大量に食べるのを見て、あまりの栄養バランスの悪さに恐怖を覚える時がありますが、ちょっと食べる分にはなかなかいいもんですよ。