アメリカで人気の『料理の鉄人』

Grossauge2009-02-04


料理の鉄人と聞いて、90年代を懐かしく思い出す人は多いだろう。

アメリカでは最近、食べ物関連のケーブルチャンネルの人気が今まで以上に高まっている。料理の鉄人アメリカ版であるIron Chef Americaは日本でもフジテレビのケーブルや衛星チャンネルで放映されているのでご存知の人も多いと思うが、元祖日本版も結構人気が高い。アメリカのIron Chefマニアの中には、「やっぱり日本版じゃないとね」と、元祖にこだわる人も多い。Iron Chef Americaは、Food Networkというチャンネルで、フジテレビのエンディングクレジット入りで放映されている。そして、元祖日本版も同じFood Networkで長いこと放映されてきた。

ところが最近、Fine Livingというチャンネルが、Food networkで放送されていなかった元祖日本版のエピソードを放映し始めた。Fine LivingはFood Networkよりもこの元祖版のプロモーションに力を入れているようで、料理の鉄人の番組コマーシャルも凝ったものを制作している。最近の番組コマーシャルの中で一押しなのが、"Cooking Japanese like Morimoto"である。このコマーシャルは、80年代のヒット曲、ベイパーズの"Turning Japanese"の替え歌で、"Turning"を"Cooking"に、"I think so" の部分を和の鉄人・森本雅治「モリモト」に置き換えている。歌詞の収まり方は完璧である。日本語にするなら、「モリモトみたいに日本料理を料理する〜♪」といったところだと思う。

http://www.foodtvfans.com/のこのコマーシャルについてのスレッド(動画リンクあり)
The Vapors "Turning Japanese"(動画)
The Vaporsの"Turning Japanese"の歌詞

衝撃的な完成度である。Fine Livingは、番組の効果音なども独自のものに置き換えて、新しいコンセプトで元祖料理の鉄人を送り出している。(オリジナルのバックドラフトのテーマはアメリカでは使えないらしい。少し前までオリジナルのオープニングだったが、今ではオープニングはすべて新しい曲になっている。)効果音の置き換え方や、番組の放映順の組み直しは、元の番組の良さを台無しにすることなく注意深く行われている。料理の鉄人という番組を純粋に愛する人がFine Livingでこの番組編成に関わっているに違いない。

ところで、フジテレビはなぜ料理の鉄人の全エピソードをおさめたDVDセット(もちろんスペシャルエピソード付き)を発売しないのだろうか?今見ても古さを感じさせない見応えのある番組だと思うのだが。

Fine LivingのIron Chef Japan番組サイトには、番組を紹介する動画がいろいろとアップされている。BGMを変えるだけで、雰囲気がこんなに変わるとは驚きである。
Fine LivingのIron Chef Japan番組サイト(動画プロモーションあり)