アジア人の肌?

同じ研究室で働いている中国人の女の子が、「アジア人の肌に合うようなスキンケアはアメリカで手に入るの?」と真剣に聞いてきた。私が7歳ぐらい年上で化粧をするし、東京で長いこと働いてたんだから、いいものを知っているに違いないと思ったらしい。中国からの留学生の女の子達と話すと、日本と中国のいろいろな相違点や共通点を見つけることができて面白い。どうも彼女達は大学の試験でよい点を採るのでかなり忙しくて、肌の手入れなんかに気を使う暇はなかったらしい(本人談)。

ここで気になるのが「アジア人の肌」というところ。日本の女性の会話でもよく聞かれるもので、少しググってみると、これに関するたくさんの会話が検出されてくる。アジア人の肌とか日本女性の肌とか。大体の議論は、「アジア人あるいは日本女性の肌は西洋人のものよりもデリケートだから、云々」というもの。前々からうさん臭いとは思っていたのだけれども、本当にそんな差があるのか?はっきり言うと、そんな差はないんだろうと思う。いわゆる白人と呼ばれる人々にだって、乾燥肌や敏感肌の人はいるし、日光に極端に弱い人は白人にこそ多いのではないかと思ったりもする。自分が今回はっと驚いたのは、この伝説が日本人の間にだけでなく、中国人の間でも存在していたということだ。ということは、きっと韓国人の間でも同じような固定観念があるだろう。これは化粧品メーカーの広告から始まったのだろうか?それとも、化粧品メーカーが以前からアジア人女性の中に存在していた固定観念を利用したのだろうか?

敢えて言うならば、アジア人は若く見られることが多くて、それが肌の老化が遅いという観念につながっているのかもしれない。ただ、この若く見えるというのはただ単に違う人種の年齢の見え方に馴れていない人が、見た目の年齢を正しく推定できないという現象であって、同じアジア人が見ると意外と正しく年齢を推定できたりする。例えば、自分は三十路を超えているのだけれども、アジア人の友人を持たない中高年のアメリカ人に高校を卒業したばかりだと思われたことがある。自分は童顔ではないし、日本人から見れば年相応に見えるタイプである。さすがにそこまで若く見られるとうれしいどころかショックだったりもするけど。

で、最初の質問になんと答えたかというと、「アメリカ人もアジア人もそんなに肌は違わないと思うけど、保湿と紫外線対策は大切だと思うよ。後々響いてくるからね。」という感じ。肌が人種でそんなに違わないという点については全然信じてもらえなかったけど。実際に自分は洗顔も保湿も基本的なものはすべてアメリカで購入して使っているけれども、何も問題はない。こちらでは化粧品が安いのでかえって得をしていると思う。