IBMのModel-Mキーボード新品&USB接続を注文してみた

パソコンのキーボードは意外なほどに仕事の効率とモチベーションを左右すると思う。会社で働いていた頃は、支給されるDellのキーボードのカスカスした押し心地が気に入らなくていつも自分のキーボードを使っていた。今もそのIBMのUltraNavシリーズのキーボードを使っている。こちらの大学も会社のような物だから、仕事用に支給されるパソコンやキーボード、マウスは使い心地なんてあまり考慮されていない。だとしたら、気持ちのよい環境は自分で構築するまで。ご存知の通り、IBMのパソコン関連は今はレノボなので、相当品は多分これ

このキーボードはタッチは結構好きなんだけれども、私の場合、下の方についているトラックパッドやボタン類をあまり使わない。キーボードの操作をしている時に間違って触ってしまって、ポインタが飛んでいってしまったということも最初の頃はあった。トラックパッドやボタンの脇にある広い面は安定したハンドレストになる。いつも手を置くので結構すぐに汚れるけれども、丈夫な表面なので、すこし食器用洗剤などをつけて拭けばきれいになるのがよい。

ところで、自分のキータッチは少し強めなような気がする。このキーボードは傾斜を変えられるようになっていて、傾斜をつけると薄いボディーが浮いたような感じになるので、少し強いタッチだと太鼓を叩くような感じで音が響く時がある。下にウレタン系のマットなどを置けば気にならないかもしれないが、固い机の上にキーボードが直接置かれている場合などには気になる。

タイトルに「IBMのキーボード」と書いているが、注文したキーボードはIBMブランドではない。正確には以前IBMのモデルMとして売られていたキーボードである。2009年の始めのある日、National Public Radioというお気に入りのアメリカの公共ラジオを聞いていたところ、IBMのモデルMを現在も作り続けている企業pckeyboard.comの紹介があった。タイトルは"
Old-School Keyboard Makes Comeback Of Sorts"で、昔のキーボードであるモデルMの最近の人気回復をとりあげている。このリンクでラジオが聞けるのだが、日本からだと聞けないかもしれない。そういう場合は、この番組の内容が元になっているニュース記事"An Ode To Clicky Keys"を参照されたい。このラジオ番組の中に収録されていたキーボードの音で、昔の記憶がフラッシュバックした。大学の時に研究室にあった少し古めのPCのキーボードの音だ。このキーボードのクリック音がいつも気持ちよかったのを思い出したのだ。「これは手に入れないと。」と思いながら、来月、また来月...と月日が過ぎ、ようやく一年後に注文したのだ。

モデルMはタイプライターを意識して作られた最後のキーボードと言われている。カーブした傾斜と、それぞれのキーの裏にあるスプリングがそのこだわった感触を実現している。自分はキーボード研究家ではないので、専門的なことはこれ以上分からない。色々な方が詳しく書かれているので、もっと読みたい人はKeyboard Maniaや、101KeyboardMattHomePage Alternativeなどを参照してほしい。とくに最後のサイトは写真入りで、構造やメンテナンスについてかなり詳しい説明があるので勉強になる。このキーボードに関する需要はまだまだ根強く残っているようだ

このキーボードを製造しているのは、ケンタッキー州レキシントンにある小さな工場だ。IBMの電気工学エンジニアとして働いていたNeil Muysken氏が、Unicompという会社を90年代の中頃に設立し、IBMが製造を中止したモデルMキーボードを作り続けている。IBMの古い型と道具を使っているので、本当に同じキーボードだが、使われている電子技術は技術進歩に合わせて向上されており、USB接続にも対応した。海外への発送にも対応している。日本発行のクレジットカードも使えるはず。ただ、送料は数十ドルぐらいかかる模様。販売サイトでは送料$69と表示されるが、メールで聞いたところ、それぞれのケースで違うので、注文ごとに計算して連絡するとのこと。米国郵便公社(USPS)のEMSとかで送ると69ドルもかからないんじゃないかと思う。でも現在は円高なので、日本円で生活している皆様にはたいしたことないはず。自分が注文したのはCustomizer 101 Whiteというもので、69ドルだ。注文時に、バックリングスプリングか音があまりしないキースイッチのどちらかを選択できる。また、ケーブルもUSBとPS/2のどちらかを選択できる。この他にもいろいろなキーボードがある

届いたら使用感をレポートしたいと思う。たぶん。

今まで使っていたキーボードで感触が好きだったのは、他にPowerBook Pro G4のキーボードだ。一つ一つのキーボードに指がフィットする感触、浅い押し込みでもそれなりの押し心地があり、少し強いタッチでも静かで打ち心地がよいのが忘れられない。どうでもよい入力をしていても、名文を書いているような気持ちになれる。その後Appleはボタン式のキーボードを採用している。自分が今使っているのもこのデザインだ。VAIOがこのデザインをまねしたりするなど、最近人気のボタン式キーボードだが、以前のPowerBook Proのキーボードはこれとは比較にならないぐらいよかった。いつか復活してほしい物だ。

その他、あこがれていていつか入手したいと思うのは、PFUHappy Hacking Keyboard Proだ。当然、無刻印のモデル。昔ツクモ電気で触ってからずっといいなと思っている。少し前に、漆塗りバージョンなんか出していたけれども、そういう極端にニッチな商品は別として、国内外で根強く人気のキーボードだ。自分はWindowsMacの両刀なので、機能キーにはあまりこだわらない。ちなみに、Windowsキーなんて押したこともない。