車にはガソリン、人にはビール

Grossauge2009-12-07

アメリカ人に必要な液体は何かというと、やはりビールとガソリンだと思います。もちろんこれは一般化できないけれども。いや、ガソリンは一般化できるかな。ガソリンがないと場所によっては生死に関わるし。ビールは特に男性について当てはまる人が多いと思う。なぜこの二つの液体かというと、日本に比べてこの二つに関する税金がかなり低い。だから日本に比べて末端の価格がかなり低い。

アメリカでのガソリンは現在1ガロン当たり2ドルの後半あたりです。2.7ドル/ガロンだとすると、1ガロンは3.785リッターだから、リッター71円ぐらい。ガソリン価格比較サイトgogo.gsによると、日本のレギュラー全国平均はリッター122.4円だから、アメリカのガソリン価格は日本の価格に比べて約42%低いことになります。この違いは主に税金によるもの。いくつかの州のガソリン税(2009/7/1現在)を見てみると、
 イリノイ州    0.338ドル/ガロン (3.785で割るとリッター当たりになる。)
 テキサス州    0.200ドル/ガロン
 ニューヨーク州  0.425ドル/ガロン
 カリフォルニア州 0.399ドル/ガロン
という具合です。リッター当たりだと、どれも10円前後で、日本のガソリン税53.8円/リッターと比べるとオーダーが違います。アメリカの町は高速道路でつながれていて、車がないと生きていけないのだから、代替の交通機関を用意せずにガソリン税を高くることは無理があります。一方で、ヨーロッパの国や日本などは、電車が充実していて一国の国土はそれほど大きくないから、ガソリン税を高くしてガソリン以外の交通手段やハイブリッド/電気技術などの発展を刺激することができます。これは大きな違いです。

で、ビールはというと、上記と同じ資料から、
 イリノイ州    0.185ドル/ガロン (3.785で割るとリッター当たりになる。)
 テキサス州    0.200ドル/ガロン
 ニューヨーク州  0.140ドル/ガロン
 カリフォルニア州 0.200ドル/ガロン
日本ではビールは222円/リッターらしい。アメリカの場合どれも10円/リッター未満なので、ものすごい差になります。私はあまり酒類を飲みませんが、たまに輸入物のドイツやベルギーのビールを飲んだりします。日本にいた頃は、輸入物のベルギービールやドイツビール500ml一本で500円から600円ぐらいしていたような気がします。これにはものすごい関税がかかっているはず。アメリカでは1本ばら売りはスーパーなどではあまり見かけません。最小単位は6パックになります。1パック(500mlx6本)の同じ銘柄のドイツビールは、アメリカのスーパーマーケットで9ドル(約900円)ぐらいで手に入ります。少し安めの銘柄の輸入ビールだと6から7ドルあたり。ミラーズやバドワイザーなど国内産のビール(Domestic Beer)は同じ6パックで5ドル(約500円)ぐらい。こんなに安いのだもの、アメリカの巨大なビール消費もうなずけます。世界最大のビール消費国はアメリカです。

上の比較で興味深いのがテキサス州ガソリン税とビール税が同じというもの。筆者はテキサス州在住ですが、かなりうなづけます。ビールとガソリンは等価なのです。ここでは。車にはガソリン、人にはビールって感じでしょうか。酒類を全く飲まないという人も結構いますが、飲む人は大体こんな感じです。キング・オブ・ザ・ヒル(テキサスが舞台)のオープニングを思い出してください。