新型インフルエンザの予防接種を受けてみた

今週から在学生は無料というH1N1ワクチンの接種が始まりました。鼻から吸引するスプレー式と注射の二種類が存在しますが、大学が持ってるのは注射(不活性ワクチン)だけでした。一ヶ月前に季節性インフルのワクチン(これも注射)を接種したので、二回目のインフルエンザ注射です。

季節性の時と同じような問診票に記入し、説明を読んで理解した旨を示すサインをしてから注射に望みます。アメリカではどこでもなんでもサインをしなければなりません。特に病院はひどいものです。問題が起きた時の免責や訴訟対策で、病気で苦しい時だってたくさんの書類にサインしなければならないのです。

予防接種はあっという間に終わりましたが、接種後に休憩している時に待合室で面白いことがありました。私の次に接種を受けた軽いのりのひょうきんな男子学生が、ナースと話しだしたのを盗み聞きして楽しんでいたのですが、そこに聴診器を首に下げたいかにもそれらしいクリニックの初老の医者が通りかかりました。その男子学生は明日から期末試験なのに、予約がいっぱいで今日予防接種を受けなくてはいけなかったので、副作用はないよね、ということをひたすらナースに確認していたのでした。その医者は男子学生とナースの間を通り過ぎた後、立ち止まり、男子学生の方を振り返り、

医者「あれ?君、どうしたの?」
学生「ん?」
医者「あれ、(学生の顔をしばらくながめて)君の顔、アレルギー反応が現れているようだけれども。」
学生「え、本当ですか?(表情がこわばってくる)え、え、?」
医者「ほら、このあたり(手で顔と自分や学生の首の辺りを指し示したりしながら)」
(私少し離れた場所から 「ふふふふ」)
学生 相当心配な顔になってくる
しばらくして...
医者「じょーうだんだよー!」
学生「(相当ほっとした様子で)なーんだぁー、ほんと、びっくりしたー。まさか、自分に起こるなんてって、思わないっすよ。いやーほんと。自分、今学期で卒業だから、試験受けられなかったらどうしようって思ったんすよ。」

という寸劇で、ナースも私もみんな大笑いしてしまったのでした。待合室に入ってきた別の学生は、みんなが笑っているもんだから、何が起こっているのか分からなくてきょとんとしてました。その男子学生も私も、追加のキャンディーをナースさんたちにいただきました。ナースによると、その医者はいつもそんな感じだそうです。真に受けそうで、陽気なので冗談を悪く思わないその学生の性格をとっさに判断して、仕掛けるなんて、なかなかやるなと思いました。

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